2018-12-21から1日間の記事一覧

名前のない手記(14)

〇 それからというもの、私の中での藤田君に関する感情の起伏は消え失せた。夜の酒、寝床の書籍を友に、私は夏を過ごした。藤田君のことは思い返すこともなかった。 今思い返してみると、藤田君と笹本は夏の間、ずっと隅田川べりで暮らしていたのであろう。…