MENU

2019-03-15から1日間の記事一覧

名前のない手記(26)

禍々しい事件現場を見た時、私の心は大きく、深く陥没していった。取り返しのつかぬ事態に身を震わし、目を瞠った。名状しがたい、黒い波のようなものに意識がさらわれ、その場に立ち尽くした。 それでも思考は正常に働いたのだろう。私は慄然としながら、そ…